舟遊びの人々の昼食
今回のテーマ
記念すべき一投稿目の文章。
テーマ何にしようかな~と迷ったのですが、ツイッターアカウントの開設にもつながることになる美術館巡りという趣味を始める契機になったこの絵についてやっぱり聞いてもらいたい!と思いこの作品にしました。
皆様はこの絵をご存じでしょうか。
ルノワールの「舟遊びの人々の昼食」という作品です。「舟遊びをする人々の昼食」とされることもあります。以下はwikipediaからの引用。
『舟遊びをする人々の昼食』 (仏: Le déjeuner des canotiers ) は、フランスの印象派の画家ピエール=オーギュスト・ルノワールによる絵画作品。『舟遊びの昼食』とも呼ばれる[1]。 1882年の第7回印象派展に出品され、3人の批評家から最も優れた作品と認定された[2]。 画商で後援者のポール・デュラン=リュエルが作品を購入し、その息子から1923年にダンカン・フィリップスが125,000ドルで買い取った[3]。 現在は、ワシントンD.C.のフィリップス・コレクションの所蔵である。 豊かな表現、流動的な筆遣い、明滅する光に優れた作品である。
出会い
私がこの絵を知ったのは大学受験でのことでした。
英作文の問題で、3つテーマがあるうちから1つ選んで英語で文章を書く、という問題のうち一つに
Discript about this picture.
とだけ書かれてこの絵の白黒写真が載っていたのです。
こんな感じでしょうか。
見ての通り、ボヤボヤしてるんですよ。だって印象派ですし。画像のサイズもけして大きいわけではないし。
ついでに言うと過去問との出題傾向とも大分毛色が違ったし。
でも、見た瞬間
私これ書きたいな…
ってなったんですよね。
ルノワールとか印象派とかつづりも分からないけど要はこの絵を見てない人に何が描いてあるか伝わりゃいいんだ!そんなに難しい文法使わなくてもいけるかもしれない!
何より、併願校にすでに全落ちしており後期も出願しておらず第一志望のこの大学しか残っていなかったという事実もあり、
これを選ばずに落ちたら私は一生後悔する!!!
どうせ落ちるならこれを書いて落ちる!!!!!
という謎の情熱に駆られたんですね、、私は。
帰り道、この大学に落ちても私はあの絵を描いた人の絵がもっと見たいから大学生になったら美術館に行こう、とかなってましたね。
んで、結果的に受かったんです。
もちろん、違うテーマで書いても受かっていたのかもしれません。この問題の配点もわかりません。そこはもう私の知るところではありません。
それでも、この絵が私を合格させてくれたのかもしれないなぁ…
なんて今でも考えているのです。
大学を先日卒業したばかりで、ブログに書くにあたりあらためて思いを馳せているという訳でもあります。
晴れて大学に入学し、時には友人と時には一人で色々な美術館に足を運び、それこそモネやルノワールといった印象派の作品にも親しみを持っていきました。
大学の友人(特にこの設問を知っている同期以下)には結構この話をしていたものです。単に共通の話題でもありましたし、私が美術館に行く人間だと知っている友人たちにはらしいね、とか良い話だね、とか言ってもらえるのはなんとも嬉しいものでした。
なので、リアルの友人がこのブログを読むことがあったら一発目からあいつだと気づくのかもしれません。笑
実際に見に行ってみた
当然この絵を生で見たい!と思うようにもなるわけです。
もちろん大学生であるうちに。
そして昨年(2019年)11月にその夢が叶ったのです!
私は9月末から11月の頭にかけてヨーロッパ・アメリカに40日ほど旅行に行っていたのですが(この話は今後も出てくると思うのでいずれまとめられたらと思っています)、その中で最後に足を運んだのが上述したワシントンのフィリップス・コレクション。
旅のハイライトってやつです。
話逸れるんですけどこれ書いてる今、絶賛コロナ流行ってて国外はおろか国内すら旅行なんてしとる場合かって状態なんですよね。先日、3月上旬にヨーロッパ旅行していた女の子がコロナかかったのがニュースになっていて叩かれていたりとか。お気の毒に…
就活で卒業が一年延びた結果旅行の時期を秋にしたんですけど、いや、今思うと本当にこの時期に行けていてよかったです。早く収束するといいな。
写真を撮ることはできなかったのですが、けして大規模ではない美術館内ではすぐ見つかりました。これ、129.9cm×172.7cmと結構大きい作品なのです。
机を囲んで複数人の男女が楽しそうに談笑している。
そのうちの数人はカップルのような雰囲気だ。
貴族ではなく、庶民らしい服を着ている。
机の上には飲み物や果物が乗っている。
屋外で、背景が明るく、男性の多くが簡素な服装をしていることから暖かい季節であると思われる。
女性のうち一人は子犬を抱きかかえている。
私もこの中に混じって彼ら彼女らと話がしてみたい。
この絵を見た瞬間、受験の時に書いた文章が思い出されました。
一言一句覚えてはいないけどこんな感じだったなぁ、と。
ああ、やっと会えた。やっと見られた。
ルノアールの作品は今までも沢山見てきましたが、やっと見られた、こんな作品なんだとここまで思い入れのある作品はめったにありません。
私はこの絵の前に立っているんだ―――
来られてよかった。見られてよかった。
フィリップス・コレクションの看板ということもあり、基本的に大体の人が足を止め、まじまじ見ていく作品です。「舟遊びの人々の昼食」はその人たちの心を温かく凪がせているのでしょうか。
他の作品も素敵だったのでその後も館内をグルグルしていたのですが、印象的だったのは去り際に見た老夫婦がいつまでもその絵の前の椅子に腰かけていた姿でした。
私は一人で見に行きましたが、誰かと一緒に見て良いね、うん良いね、と静かに分かち合えるというのは何とも幸せなことではありませんか。
後ろ姿しか見ていませんでしたが、お二人は絵の中の人々のような笑顔を浮かべていたのかもしれません。
ルノワールの作品はよく「穏やか」「幸福」等の言葉で表現されますが、なんかもうそういうイデアなんだろうな(?)と思います。
おわりに
今回はいろいろ思い入れのある作品だったのでこういう感じになりましたが、多分直近で見かけたものに関してはもっと
はぁ???良いんだが??好き とか
クゥーーーーーーーーこれが天才かッッッ とか
そういう語彙になるんじゃないかなぁと思います。笑
読んでいただきありがとうございました!
よろしければ今後とも見てやってください!