尊いったら尊い

美術館やら香水やら化粧品やらを軽率に愛でています。

クリーン リザーブ レイン

今回紹介する香水はクリーンよりリザーブというラインのレイン。

TLでは沢山の方がトバリのセットが届いた!と喜びの声を上げ、感想を教えてくれているところですが、私はその流れをガン無視して今回のブログを書いています。

 

クリーンには石鹸の香りにインスピレーションを受けているクラシックと、より厳選された香料を用い、サステナビリティにも考慮をしたリザーブという2つのラインがある。

レインの概要については以下のとおり。

www.latelierdesparfums.jp

 

激しい雨に洗われ、生まれ変わった新たな世界が姿を現す
Product Description
レインは、アマゾンの雨を思わせるノートに、ベルガモットやキューカンバー、モイストホワイトフラワーをブレンドし、はじけるフレッシュさとその輝きをあらわしています。贅沢に使われたパチョリがフレグランスをより深みのあるものにし、熱帯雨林の神秘的な霧を演出しています。
Sustainability Story
温かで芳しい香りを放つ、栽培方法に配慮したハイチ産ベチバーを使用することで、ハイチの人々と長年にわたり取引を続けることが可能となっています。
香調: ウォータリームスク

調香師: ハリー・フリーモント (リンク先より引用)

 

雨の匂いの香水。

今でこそそれだけで様々なブランドから商品が出ているということを知識として知っているけど、私が初めて出会った雨の匂いの香水はこのレインだった。

 

クリーンの香水は元々時間がたっても香りが変わらないように作られている。

同じ香りが肌に残って、少しずつフェードアウトしていく。

だから、嗅いだ時の

水と瓜になにかが混じってるな……………?

というファーストインプレッションがおおむねそのまま続くのだ。

 

水と瓜だけだとレビューとしてあまりにも心許ないので。

まず、瓜というのは上記の説明文中にあるキュウリの部分のこと。瓜というのは香水において水、雨を表現するのによく使われるものであり、理論は全く分かっていなくとも否応なく「瓜→水」という回路が頭の中に刷り込まれるのだ。

もっとも、この瓜の匂いが苦手という方もいらっしゃるようなので、そういう方はあまり今回のレビューは参考にならないと思う。

 

このレインは雨のなかでもしとしと降りの中を歩いているか、雨上がりにまだ湿気が空気に残っている状態で雲の切れ間から空が見え始めたような、そんな印象を受ける。

前者の雨の部分でも、後者の湿気でも、どちらでもいい。霧吹きの水のような、細かい水の粒子という印象をレインからは受けた。

肌につけた当初はひんやり肌寒い湿度を伴った外気のような印象を受けるけど、肌になじんでくるころにはむしろ雨が上がった後日が差し始めるようなぬくもり感になるのもいい。

雨の名前を冠する香水の中にも、雨の降った地面(土やアスファルトといった分け方もできる)の匂いがするものや、雨が降る前の空気感を表現するものなど、様々な種類がある。

私の知っている限りだと、ディメーター(demeter)のレインやダート、サンダーストームは「地面」でありアーシーな印象、2020年2月に廃盤になってはしまったがゲランのアプレロンデはスミレなどで雨上がりの空気感を表現している(フォロワーの皆さんが雨の日につけているのをたまにTLで見る)という例が挙げられる。

恥ずかしながら私はこの中だとアプレロンデを試したことがないので正確には言えないけど、今回のクリーンのレインは瓜方面だということでこれらとは大分違う方向性の匂いなのだろうなぁと思われる。

 

旅行中に立ち寄ったショッピングモールの一角にあるテスターを試して、それが帰国してからも忘れられなかった。

雨の匂いの香水なんていうまぁなんともロマンティックなものが世の中あるんだねということもさることながら、嗅いですごく落ち着いたのが印象的だったから。

上述した通り、雨の中でも水の部分にフォーカスした(と私は思っている)もので、それがなんとも心地よかった。帰国後、すっかり憧れの香水ということで控えていたこのレインに加え、水の香りということで案内してもらったロードイッセイや、瓜ではないけどメゾンフランシスクルジャンのアクアユニヴェルサリスも同じ方面で素敵だなあ、しっくりくるなあ、と思った。

 

日本のメーカーが雨の香りを作ろうとすると、大方ウッディ、グリーンな方面と混ぜてどこか山林ないし日本家屋の雰囲気が漂うよう作られるイメージがあるが、こと雨・水方面に関して言えば私にとっては必要条件ではないのかも。

 

雨の日は勉強や仕事をするには気合が入らないけど、リラックスするという点においてはとても素敵な日だ。当然、香水が表現するような雨という気候条件によって変わる外気の匂いや湿度の感じといったものも。

 

sanpomiti.com

nioi-labo.jp

雨の匂いについては、こちらの記事でとても分かりやすく説明してある。このクリーンのレインについても言及されていた。

この記事によると、雨の降る前と降った後の匂いは別物で、前者はペトリコール、後者はジオスミン(ジェオスミン)という成分によるもの。

このペトリコールという物質は、植物が土に分泌している物質なのです。

周囲の湿度が高くなると、植物はこのペトリコールという物質を分泌し始めます。

その時に、あの雨が降りそうな匂いが放出されるのです。

そのため、雨が降りそうではない時は、この匂いが放出されることはないのです。

そして、雨が降るとペトリコールは流されてしまうため、

ペトリコールの匂いが放出されるのは、雨が降る前だけなのです。

雨が降る前の匂いは、短い間しか嗅ぐことのできない貴重な香りだったのですね。

 

ジオスミンはギリシャ語で「大地の匂い」という意味があります。

この言葉からもわかるとおり、ジオスミンは土から放出される匂いなのです。

しかし、ペトリコールと違う点は、雨が降り地面を湿らすことによって

より匂いの元が活性化することです。

土の中にいる微生物が作り出しているジオスミンが、雨が降って地面が湿ることで

一気に放出されるのです。(いずれも前者のリンク先より引用)

 今回のレインは前者のペトリコールと瓜の青っぽさのあいの子という立ち位置なんだろう。

 

今回は雨の匂いの香水ということでなにやら大人しめ、そして引用率高めのブログになって、思ったよりあんまり私はレインについてこう思うぞ!!!って感じの文章にはなりませんでしたね~…

ただ調べている最中、特に香水に関する記事ではなくとも

なんだ…みんな結構雨の匂い好きなんじゃんか…

と嬉しく思ったものです。

香水あるある「嗅ぐと頭に浮かぶ情景」に関しては、私は出会ったショッピングモールもとい化粧品売り場なのですが、こうしてみるとあんなファンデーションもあったっけとかそんな記憶も思い出されてくるので、やっぱり香りってすごいですね。

あとやっぱり春に春の匂いの香水をつけるように雨の日に雨の匂いの香水をつけるっているのはオツなもんです!!それだけ言いたかった!!!!

昨日も今日も雨が降っていたのでつけていたのですが、そういう特定の状態で使うって縛りをかけるのも、香水の醍醐味なのかもしれません。

1.5mlのサンプルがなくなりかけているのを見て、思わず調べてみたくなった次第です。

 

お読みいただきありがとうございました!