尊いったら尊い

美術館やら香水やら化粧品やらを軽率に愛でています。

Régime des Fleurs ムエット6種感想

今回は一昨日(4/15)家に来たNOSESHOPのおこもり応援ムエットを試した感想です!

 

テレワークが爆発的に広まり、不要不急という言葉も定着どころか今年の流行語大賞になりそうな昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。

普段作らないような凝ったお料理を作っている方。

積ん読を消化している方。

ネトフリやアマプラをバリバリ見ている方。

いろいろ挙げられると思います。

 

私は改めて香水、もとい香りってすごいなあということを思い知らされています。

だってね、どうしたってイライラしちゃうじゃないですか。何にもしなくても。でも香りって本当に寄り添ってくれるんですよ。

マスクの内側に垂らす無印のアロマオイルとか、イライラやお疲れ様にジャストミートで寄り添ってくれる香水やハンドクリーム。あとはお茶とか。

キます。

こういう日常だからこそ、五感の中でもダイレクトに来る匂いってものは本当に侮れません。

薬っぽい匂いという訳ではなく純粋に心に効くのでもはや薬として認定したい香水、皆さんにもあるのではないでしょうか?

 

長くなりましたが、少しでも私が香水リテラシーを高めて楽しいパフュームライフを送るべくブログを書いていきます〜

ノーズショップがおこもり応援企画として出していたRégime des Fleursのお試しサンプルの紹介です。

この記事を書いている時点では残念ながら取り扱いは終了しています。購入された方はあーこういうのだったなーと思っていただければ、そうでない方はぜひコロナが収束したらノーズショップでお試しください…!

ノーズショップ本当にすごくて、サイトで色々なおこもり企画打ってるので…!

 

noseshop.jp

noseshop.jp

それではさっそく!

なお、以下の香水の紹介で使っている引用は全て二つ目のリンク先からのものです。

あと予め断っておくのですがかなり文字数にバラつきがあります。ご了承ください。

 

クロエセヴィニー リトルフラワー

ハリウッド女優、ファションアイコンとしても絶大な人気を誇るクロエとの共作は最愛のローズという古典的なテーマに、紅茶やカシスといったクロエの愛するアイテムを加えて現代的にアップデート。

NOTE:ブラックティーケマンソウ、カシス、ピオニー、パロサントインセンス、ザボンハニーサックル、ローズアブソリュート・・・

パルファンサトリのムエットがスーッと一度に吸い込むものに対して、これはスッ、スッ、スッと短く何回も嗅ぐ方が香りが分かった気がする。 

普段あまりローズは試さないのですが、今回は紅茶やカシスと一緒になっているとのことで、とても軽やか。

時間が経つとちょっとウォータリー入ってくる感じ。フルーティでフローラル。今回の五種類の中で唯一外交的というか人に会う時につけていきそうな匂い。

クロエセヴィニー自体からは少し逸れてしまうのですが、ニッチフレグランスって内向的な香り多いですよね。

内向的という言葉の意味どおり、嗅ぐと「それを嗅いでいる、感じている自分自身」に意識が向く香水って感じです。

 

キャクタイ

幻覚剤としても知られるサボテンの一種ペヨーテ。ネイティブ・アメリカンにとってそれを食べることは宗教的な内省の時間。純真な人にはそれが甘く感じられるという。肌に残る香りが暴くあなたの本性。
NOTE:ベルガモット、キュカンバー、紫蘇、ヘリオトロープ、ブラックティージャスミン、マテアブソリュート、バルティックアンバー…

 

甘い匂いしろ…

甘い匂いしろ……

甘い匂い………

した!!

やったぜ!!!!

純真な人間なので甘く感じました〜イェーイ

 

えーとですね、これはロジェガレのテファンタジーですね。

ちょっとモワッとした甘いものが入ったテファンタジーでした。

内向的なテファンタジー。(私的にはテファンタジーは外出用。外交的な部類なのです)

一応ノートの中にはブラックティーとマテアブソリュートがあるらしく、敢えていうならこの部分だったのかもしれません。

でも正直それ以外の部分も込みで本当にテファンタジーだった。あの不思議ちゃんというか幻想的?な部分は絶対あれだよ。うん。

 

まあ現実問題私はペヨーテなんて口にしたことはないので、モチーフについては何とも言えないのですが…テファンタジーのリンクも貼るので、ご興味持たれた方はよろしければ。。。

 

www.roger-gallet.jp

ゴールドリーブス

神は死んだ。誇りと知恵を持ち、あらゆる価値や権威を笑い飛ばして軽やかになることで人間としての高みを目指す。世界は虚構であるからこそ積極的に生きよ。これは誰でも嗅げるが、誰にも嗅げない香水。
NOTE:月桂樹、シトロン、カルダモン、フルールドリス、シャリンパイ、アイリス、シダーウッド、オークモス、ナガルモタ、アンバー

これはクロエセヴィニーと真逆でムエットをスーッと深く吸い込むやつ。

ひとしきり嗅いでザーッと浮かんだものを挙げていく。

 

スパイシー。

庭のフェンネルの葉っぱ。

檜の香りの入浴剤(濁り湯タイプ)

小さい時に嗅いだサンダルウッドの石鹸の匂い(サンダルウッドは入っていません)

後述するフォーリングツリーズと比べると相対的にライトな感じ。

 

フォーリングツリーズ

幾世紀に渡り育まれ倒れた木々が堆積した重厚な森の中央に立ち、湿潤な空気感、老齢の樹脂やコケに様々な表情と息吹を感じる。荘厳で心地よい雰囲気。倒木たちの力強い生命力が吹きこまれた香りのドラマ。
NOTE:エレミ、ジュニパーベリー、オーク、フランキンセンス、ミルラ、キゴケ、ナガルモタ、ベンゾイン

針葉樹の香り。

おそらくジュニパーベリーが強めに出ているものかと思われる。

ゴールドリーブスと同じ方面なんだけど、より鬱蒼としている感じ。ひんやり。

私の鼻はこういう方面に疎いのか、ウッディジュニパーベリーという言葉で完結してしまった。前のパルファンサトリのシルクイリスはシルクイリスですね、みたいなのと同じ方向性。

画家で言うと東山魁夷

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東山魁夷といえばこういう色合い!まさにこの色が浮かびました

ウィロウズ

ほのかに甘く優しい柳の枝のような揺らぎをを繊細に伝える。劇的な四季の変化が人生に彩りを与え、心の豊かさを醸成するように、時間の経過で巡る香りのうつろいがあなたの心に刻む忘れ得ぬシーン。
NOTE:ホワイトペッパー、キャロットシード、バイオレット、ミモザ、アイリス、ライ、トンカマメ

このウィロウズとその次のグラスブルームズが今回の私に特にグサリと来た香水でした。

ウィロウズはひたすらに優しい香り。ほのかな甘さはあるもののそれがなにかはわからない。ちょっとパウダリーかな?でもパウダリーのパくらい。あっこれパウダリーなやつかな?と一瞬思わせて、あ、そういうのでもないのね、的な。

「ノスタルジックで昔を思わせる」?

「悲しい気持ちに寄り添うの慰めの香り」?

うーーんしっくりこない。私の香りと言葉を結びつける能力の限界がありありと見えてつらい

きらめきともフローラルともウォータリーともムスクとも違う、なんとも言えないこの香りはなんだろう。

うーん…

ただただ繊細で…

あ、そうだ、これは繊細さの香りだ。

オンかオフかで言ったら100パーセントオフに振り切れている。

他に誰もいない時か、一緒にいても一人の時のように振る舞える位親密な人といる時の心

こうやって感じたことを言葉にする、その前段階の、何かを感じたという震えの部分。

 

 

お寺や和室みたいな「場所」の匂いの香水は、それがイメージする場所やそこにいる自分を想起させる。それはその場にいて初めて生まれる自分だ。

この香水はそうではない。心に直接問いかける香水なのだと思う。心のひだ、柔らかい部分にそっと共振させるような匂い。

色で言うと…そうだなあ…淡い虹色に薄紫のベールがかかっている感じ。

 

敢えて言うなら人肌の匂い方面かしら。

でも色っぽい方面でもない。センシュアルという香水ではないから。

特にそう謳われているものでもないので、これは私がそう思ったというだけのことで。

 

ムエットだけなので、これが実際肌に乗るとどうなるのかは非常に気になるところ。

 

けして冷たい訳でもないけど体温を感じるようなものでもない、本当にただそこに佇んでいる、否定も肯定もせずただそこにあるこの匂いは、肌に乗せることで熱を帯びるのだろうか。

グラス ブルームズ

ガラスによって永遠の命を与えられた花々の標本。回りを飛び交うミツバチの羽音が聞こえるかのよう。繊細な花弁、透き通る瑞々しい葉。これは生花以上に魅力的で、ガラスのように儚く脆い香りの標本。
NOTE:グレープフルーツ、スズラン、ピオニー、アンブレットシード、ティーローズ、イランイラン、サンダルウッド、トンカマメ、 ムスク

……

蜂蜜みたいなのが中心にある。

線の細ーい儚い蜂蜜。

主役だ!という感じでガンガン出てくるものではない。香水に出てくるはちみつって割と主張が強いイメージがあったのでこういうのもあるんだなぁ

 

もっとこうなんというか…

お湯で割ってある飲み物の蜂蜜の匂いがする。

ハーバルなものが加わっているので、ハーブティーに蜂蜜が入っているようなものを想像してもらいたい。

 

実際には入ってないけどエルダーフラワーのコーディアル(水やお湯で希釈するシロップ)とかかなりいい線行ってると思う。厳密にはちがうけど、方向性としては。

 

もので例えるとなんだろう…線の細い花束みたいな。穂みたいな小さくて淡い色のひらひらフワフワした花が同じく細い茎について頼りなく風にゆれているような、そんな夢見るような儚さ。

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ネットの拾い画。こういう白や薄いピンク、紫のかすみそうといったイメージです

上述の通り今回私にはウィロウズとこのグラスブルームズが非常に印象に残ったのですが、前者が直接心にくるものだとすると、後者は上の写真みたく映像・空間といったもののイメージが浮かんでくる点で違うなと思いました。

匂いという同じ感覚に働きかけるものでもこのような違いがあるというのは本当に素敵だと思います。

 ていうか引用も込みではあるのですが今回文字数が4000字を超えたのにびっくりしました。大学のレポートで4000字って結構なボリュームだったと記憶しているのですが…

内容のクオリティはともかくとして、ここまで文章にできるコンテンツってあるもんだなあと私自身が感動している次第です。。。。

 

読んでいただきありがとうございました!