サトリ オードパルファントライアルセットB
以前TLで流れてきたパルファンサトリのおこもり応援ムエット5種類を試し、記事にしました。それですっかりサトリのファンになってしまった私、満を持して他の香水も試してみようと今回「オードパルファントライアルセットB(シェアできるタイプ)」を購入してみました!!!
※この記事をアップする4/26現在SOLD OUTになっています。申し訳ないです…私以外にもお家でサトリの香水を楽しみたいという方がたくさんいらっしゃるのですね…!!
オードパルファントライアルセットはAB二種類があり、ベーシックコレクション11種類とプレミアムコレクション9種類の合わせて20種類の0.5mlのサンプルが各10種類ずつ入っている仕様です。Aがフェミニンタイプ、今回私が購入したBがシェアできるタイプ、つまり男女兼用です。
内容はこんな感じ。
私、こういうミニセット買うの初めてなんですけど、もうこの段階で楽しくて楽しくてしょうがなかったですね。
PERFUME BOOKとかすでに「サトリの匂い」なんですよ。テンション上がりません?
それではさっそく香水について書いていこうと思います!
なお、本当はさとりとひょうげも入っていたのですが、前回のムエットにも同じものが入っていたため、今回は省略させていただきます。なお、各香水の引用につきましてはサイト及びセットの中に入っていた説明(両方同じもの)の内容を使用しています。
dounikasurushika.hatenablog.com
↑さとり、ひょうげについてはこちらをどうぞ。
マザーロード66
香りのイメージ
かつてのアメリカのメインストリートとして、シカゴからロスまでつながる4000kmの道<ルート66>、別名<マザーロード>。軽快なリズムに合わせて車を走らせれば、風を歌うだろう。気負いをしがらみも捨てて再び旅にでようじゃないか。 明日 さすらいの心の旅に。
香調
イタリア産のシトラス、レモンなどを中心に、ラベンダー、ローズマリーなど、地中海沿岸地方原産のハーブをすっきりと合わせました。ブラックペッパーの香りが全体を引き締めます。ライトムスクと木の香りで軽く柔らかな印象に仕上げた、嫌みのない爽やかな香りです。
ベーシック。
カッチリとした香り。
ノリの効いた白いシャツ。
朝の冷たい空気の香り。
寒冷地に旅行した時の少し早くに目覚めてしまった朝。
仕事のできる人のルーティン。
そんな直線的さと自然や人間の気配を両立させる匂い。
身もふたもないことを言うと、「サトリの匂い」で通じる人が
「ハーバル」「シトラス」「サトリ」 で脳内検索すると出てくるまさにその香り。。
ムスクブルー
香りのイメージ
「AM I BLUE?」Jazzとともに過ごす、ちょっとメランコリックな青い時間。
ため息のようにセクシーなムスク・アンバーは、包容力のある大人の男性にふさわしい香りです。
香調
カルダモンとシトラスのすっきりしたアコードが、暖かく包み込むようなバイオレット・トーンへ。そして最後はやわらかいムスク・アンバー。2本目につけたい、上級者向きのメンズ・フレグランスです。
ベーシック。
これを嗅いで真っ先に浮かんだのは、青いビー玉を目に翳した時の真っ青な視界。あのザラザラっとした質感の、それでいて透明感のある、いくらでも見ていられるようなあの青。夕方から夜に移る時の空の色。
清潔で穏やかなムスク。
私は今までムスクと言えばアニマリックやセクシーの代名詞的なムスクかホワイトムスクのイメージだった。
でもこのムスクブルーは少し違う。
誤解を恐れず言うと、少し沈んだ気分に似合う。
私って何でこうなんだろうなとか、気を遣わせちゃったなとか、そういうことを考えている時これを嗅ぐとなんか落ち着くと思う。もし私がムスクブルーについてツイートしていたら優しくしてもらえると嬉しいかも(?)
紹介文にはセクシーとあるけど、男性の包容力的な方向性の色気と考えるとしっくりくる。しかしこの内容、ブルガリマンウッドネロリの紹介でも使ったな…そういえばホワイトムスクだったな、あれも…あ…ボトル…ほしいかも…ああ………
イリスオム
香りのイメージ
多くはいらない、選りすぐった上質なものだけを身近に置きたい…。
"イリス オム"はそんな方のための、知的で上品な香りです。フォーマルなシーンでも、日常のカジュアルスタイルでも、ご自身の「定番の香り」として、いつも身近に楽しんでいただくことができます。
香調
さわやかなシトラスがイリスとウッディに柔らかく変化。アンバーのしなやかな強さが芯に通っており、ラストまで続きます。輪郭をくっきりとさせた、シルクイリスとのペアフレグランス。
プレミアム。
サトリにはイリスという名を冠する香水が二つある。一つ目はシルクイリス、もう一つがこのイリスオム。
シルクイリスとの一番大きな違いはトップ。イリスオムはトップに柑橘が来るけど、シルクイリスはトップから
「土…根っこ…」
だったのが印象的だった
※上質なイリス(アイリス)の証拠らしいです
鋭めだけどすぐ飛ぶこの柑橘は、その後のイリスの穏やかさ、まろやかさを相対的に高めているのかなぁ。甘さは無かったのがサトリの香水だなぁという感じ。
黒縁メガネの似合う頼りになる男性上司というイメージ。
ブラックピオニー
香りのイメージ
重厚感のあるセクシーアンバー、ウッディ、華やかなフローラルは自信を与えてくれるはず。流行の香水に物足りなさを感じる方にお勧めする、もっともクラシックな香りです。
香調
インパクトのあるスパイスに、レザー感のあるオレンジの花とバイオレットのアコード。最後までしっかりとしたセクシーなアンバーが続きます。
※香りのイメージの引用にはサイトの文章より情報量の多い説明紙の文章を引用しました。香調の内容は同じでした。
ベーシック。
なんか結構the香水のフローラルって感じ。
第一印象がシャネルの5番。
説明文中にある「もっともクラシック」にも納得。
古き良き女優さん。
ピオニーってフワフワっとしたピンクのお花を想像してたけどブラックになると自信ありげにずしっとした甘みだったのでびっくりした。いかにもふぇみにーんなのを想定していたので。
私の肌だと肌に乗せると甘みが強く出た。甘いパウダリー。
あと最初から最後までアンバーが強いのが骨太で濃厚な匂いになっている所以かと。
苔清水
香りのイメージ
「石走る垂水の上のさわらびの 萌え出づる春に なりにけるかも」
樹間の岩の上をほとばしる清涼な水の流れ、石に付く苔や、若い芽。春のみずみずしさを表現した透明感のある、フレッシュな香り。
香調
さわやかなシトラスから始まり、明るいトーンのグリーンからしっとりとしたモス(苔)とムスクのパウダリーへと変化していきます。
ベーシック。
名前通りではあるけども、今回の10種のうち唯一水を感じた香り。タイトルだけだと鬱蒼としているのかな?と思ったけど、ことのほか明るめ、柔らかめなスタート。さとりさんがお好きな森林の方面はライトなものなのかな?
説明にもあるとおり、モスとムスクの穏やかなラストが穏やかに続く感じ。パウダリーなんだけど、苔の表面の湿り気が伝わる。
これは、苔清水ってタイトルが全てな香水な気がする。情景が浮かぶタイプ。
ミヤシンマの「みず」も、苔ではないけど清流の流れる山がモチーフだったと聞いたことがあるので、比較すると面白そう。
プチトリアノン
香りのイメージ
フランス、ヴェルサイユ宮殿の離宮、プチトリアノンは情趣あふれる田園風景を愛した王妃マリー・アントワネットがもっとも幸せに時を過ごした場所といわれています。
18世紀のフランス宮廷御用達調香師、ジャン・ルイ・ファージョンが素顔の王妃に捧げた香りをイメージし、また偉大な調香師自身へのオマージュとして、パルファン サトリの"プチトリアノン"が誕生しました。
おそらく彼のアトリエには、たくさんの香料と花々の香りが満ちあふれ、彼の髪や衣服からは、夢見るような香りが漂っていたことでしょう。
極めて優雅な時代に、真実の美を追求した人へのあこがれを、この香りにこめました。やわらかな花々の間に、凛とした横顔が感じられます。
香調
シトラス(柑橘)とヒヤシンスグリーンのフレッシュなトップノートから始まり、ミドルノートにはローズやジャスミンをはじめとする、当時の宮廷で好まれたさまざまな花の香りを取りあわせました。白いブーケの清潔な香りは、暖かなサンダルウッドとムスクに変化していきます。
プレミアム。
今回唯一のフローラル枠。
第一印象は白い花の匂い。
トップにヒヤシンスが来る。
私の肌でメインに感じられるのはジャスミンだった。白の部分。
サトリの香水ということであくまでセクシー路線ではない、楚々とした白い花という感じ。
白い花の清潔なブーケと書いてあって大方そのとおりだなぁと思いつつ、緑の匂いでは無い印象。
あくまで花の部分の匂い。
【以下は私が旅について話したいだけなので飛ばしていいです】
これは全体的に穏やかでひっそりした香りなのだけど、だからプチ・トリアノンという名前がしっくりきたなぁ、と思った。
プチ・トリアノンはマリー・アントワネットがベルサイユ宮殿での堅苦しい暮らしから離れて自然の中で仲の良い限られた友人たちと楽しい時間を過ごすために作らせた場。
ベルサイユのばらとか読むとすごいよく分かります(私は大好きです)
ベルサイユ宮殿に行くとセットでプチ・トリアノンも見学できるのだけど、ベルサイユ宮殿のゴテゴテした装飾を見慣れた目にプチ・トリアノンはとてもやさしい。
水車小屋とか、本物の畑とかもある。 正直言って居心地が良いのは宮殿より断然こっち。
マリー・アントワネットの王妃としての評判はともかく、「人としてベルサイユ宮殿の生活からここに逃げたいという気持ちはマジでわかる」となった。
……そんなこと書いてるとなんだかこのプチ・トリアノンは人の内面にそっと寄り添う枠になるのかなあとか思えてくる。
王妃という肩書・社会的役割ではなく、一人の人間らしくいられる場を求める彼女の心。
この香水、色で表すと白なんだけど、彼女もけっこうプチ・トリアノンだとシンプルで白いドレス着てたりしたらしい、出典忘れたけど。
以上完全にオタクの戯言でした。ありがとうございました。
紺白
香りのイメージ
朝、最高級のコットンシャツに袖を通す。清々しい高揚感をまとい、呼吸を整えるひととき。
夜、バスタイムのあとに、さっぱりとした気分で清潔なリネンに包まれて眠るやすらぎ。
シンプルで上質な日本の暮らしになじんできた色の組み合わせ、「紺と白」をイメージモチーフとしました。
フルーティとアルデハイドの意外な組み合わせが、これまでにない斬新な印象を残します。
光をふくんだリネンのように柔らかく癒される香りです。
香調
大人っぽい爽やかさのある少しビターなトップは、シトラスのピーリー(皮)な苦み・グリーンの強さ・ドライフルーツの深みがマッチ。しだいにアルデハイドがなめらかな光沢をあたえ、温かみのある着け心地のミドル・ウッディへと移り変わります。
そしてラストまで続く、さらっと乾いた肌ざわりのこの香りは、「紺と白」の清潔感と品の良さにあふれています。
ベーシック。
今回個人的に一番印象に残った内の一つ。
私はビギナーなので、香調に関しては
あー!アルデハイドってこれのことかー!なるほどー!!
というのが香りの面での第一印象。
そして、イメージで言うと
ブルベ冬(概念)!!!!!!!!!!
だった。
前述したムスクブルーが穏やかな青で同じブルベでもサマーだとしたら、こっちはウィンター。とんがって鮮やか。
ロイヤルブルーを濃くした紺色にパキッとした黄みの無い真っ白。
紺や白って割とどんなファッションにも馴染む万能カラーだけど、今回の紺白が表すような服があるとすれば、それ自体が主役。もっと鮮やかな差し色を映えさせるアイテムではなく、紺もしくは白のそれ自体が主役。
その寄せ付けなさがサトリって感じします。
ミズナラ
香りのイメージ
高原の湖畔に広がるミズナラ(水楢)の林。
明るい緑を映す水面(みなも)に光が反射する。
風が渡り、さざ波は立つ、そのきらめきが再び葉に照りかえす。
深い湖底から湧き上がるのは、硬く強い意思。
香調
一瞬、ガルバナムグリーンの風が鼻腔に抜ける。続くハーバルのアコードに、シャープなウッディのミドルノートが徐々に重なっていきます。ラストはモルト・コアベース。ラブダナムの焦げた甘さと、奥からのぞくドライスモーキーな香りで芳醇な樽香(たるこう)を表現。メタリックで硬いアンバーをプラスした複雑な香調となっています。
プレミアム。
私はヒノキやスギ、そしてミズナラなどの植物としての匂いを嗅ぎ分けられる人間ではない。
その上で、この匂いを表そうとすると、「教科書にある白神山地の写真」という結論に至った。行ったことないけど。
このミズナラは、ひんやり鬱蒼とした針葉樹林の匂いではない。もっと陽が当たり黄緑の木漏れ日が降り注ぐ日本(強調)の林を思い出させる。広葉樹林のイメージ。土の匂いというわけではないけども。
もちろんこれが日本のブランドのものだからと言えばそれまでなのだけど、日本家屋の木造っぽさというか、そういったものを感じる。
香水の内容は以上です!
実はこれ書く少し前にラボラトリオ・オルファティーボについて知りたいなぁと思ってTLの皆様に聞いたりとかしてたんですけど、その際の全種サンプルセットの履修率に驚きまして…
いや、そりゃいきなりボトル買うってなかなか無いとは思うんですけど、皆様こうやって場数を踏んでいらしたか…と納得したんですね。今更か。
そんなこんなで私もサンプルセットが欲し~~~いと思ってた矢先にトライアルセットを見つけて…ポチってましたねぇ…
これが家に来てから一週間ほど経ったのですが、いや…本当、非常に楽しいです。
今回もお付き合いいただきありがとうございました!
みんな花を買え花を
言いたいことはタイトルの通り。
荒んだ時は花を買おう。それを言うだけで、今回1000字を超えました。スマホのメモ帳で書いたままの文章です。
私は香水用アカウントとして「フィグリーフ」を始めたけど、香水が好きな人というのはファッションも好きだったり、美術品美術館も好きだったり、インテリアが好きだったり、なんというかそういうのも同時に好きになるものらしい。趣味としての方向性が似ているのだろう。
花をアイコンにしていたり、香水など他のアイテムと一緒に撮影してツイートしている人もたくさんいる。きれいだからね。
日々を丁寧に過ごす…そのために見た目にも美しく季節を感じさせる生花を部屋に飾ろうと思うのは、必然なのかもしれない。
そのようなことをしている人たちを、私は典雅だなあと思いつつ今まで自分もやろうとまではならなかった。
そんな中、不要不急の外出が無くなって久しく自粛の色が濃い中ふと
花…飾ろっかな…
と思ったのだ。
端的に言って癒しが欲しい。ただそれだけだった。
雑貨屋は閉まっていたので、とりあえず百均でらしい花瓶を見繕った。
そして今日研修帰りに家の最寄りの花屋に寄ってたまたまドストライクの色合いのバラを見つけてしまい、そのまま購入したのだ。
少し逸れてしまうけど、花屋の匂いってすごく良い。
花屋はフローラルではない。花の匂いに切った茎の断面の緑の匂いが混じった、青臭い匂い。
うまく言えないけど、生き生きしているのだ。
ナマモノの匂いを嗅ぐと安心する。人間も動物なんだなぁと思わされる。
で、帰宅して花を花瓶に生けて、改めて
うわっ、花のある生活、良い!!!!!!!!
と感動した。
ツイートしたのと同じ写真。
ちなみにこのバラは和バラで、弦(げん)という品種なんだそう。白とコーラルピンクが混ざる色合いにちょくちょく赤紫が入るのがたまらない。
家に生花、もとい生きた気配がするということ。
少し前のツイッター構文で、「家に帰れば私は◯◯とよろしくやってる身だぞ」というのがあったけど、まさしくそれ。
家に帰れば一輪のバラが私を待っている。
この事実がもたらす自己肯定感は、私が思っていたより大きかった。
生花だから、いつかは枯れる。それでも、だからこそ、限られたその時間で大切に愛でたいと思う。きれいなものはそこに佇んでいるだけで価値がある。当たり前のことを思い出す。
繰り返すけども、美術館などで本物の絵や作品に触れる事が難しい今日、花の力はマジで侮れない。
495円(税込)で一輪のバラを買うだけでここまで盛り上がってこの幸せを共有したいと思うような私みたいな人間もこの世にはいます。
皆様、この機会にぜひ、花を買ってみてはいかがでしょうか。尊いです、花。
ロジェ・ガレへの愛を綴る
私が初めてボトルで買った香水、いわば原点は、ロジェ・ガレの看板商品、フィグ。
今回はそんなロジェ・ガレが好きだという私の想いを供養させてください。
私がロジェガレと出会ったのは2~3年前のルミネエスト新宿。
当時の私はまだ香水を趣味にしていなかったし、当然このアカウントも無かった。
私は小学生のころラッシュが好きだったり雑貨屋の一角の香水のお試し用のコットンをよく嗅ぐ子供だった。しかし、特に親族や友人にそのような趣味を持つ人はおらず、なんか私にはそういう一面があったっけなあと、それくらいの気持ちでしかなかった。
ロジェ・ガレのあるルミネエストのフロアはまるごとロジェ・ガレの店頭の匂いがする。
つまりフロア全体が看板商品であるフィグの匂いなのだ。
ほんのりと甘くデリシャスなイチジク。
果実を丸ごと頬張る瞬間のように心踊るフレグランス。果肉の甘さ、葉の清々しさ、樹皮の温かみで、イチジクの魅力を丸ごと味わうかのよう。グレープフルーツでフランスらしいアクセントを効かせつつ、全てを包み込むようにムスクが混ざり合う。光溢れる南フランスのエステレルで、幸せに満ちたひと時。カリスマパフューマー、フランシス・クルジャンが、エステレルのイチジクの庭を訪れインスパイアされた甘い香り。
【お詫び】
私がこの時購入したのは「フィグ パフュームウォーター」だったのですが、誤って「フィグ オーデパルファム」のリンク先と説明文の引用を掲載しておりましたので、訂正させていただきました。大変申し訳ございませんでした。
初めてこのフロアを訪れた私、
そこのロジェ・ガレって店の香水をつけたら私はこのフロアの匂いのする人になれるの…???
と大層驚いたのをよく覚えている。
ロジェ・ガレはけしてニッチなブランドではない。
雑誌にもよくオシャレアイテムとして取り上げられ、インスタでもモテ香水として挙げられている。
香りもどちらかといえば万人受けし、ライトなものが多い。
ただ、今までの私が思っていたような「the 香水の匂い」ではなかった。
フィグは「ただただめちゃくちゃいい匂い」だった。
そもそも香水というオシャレアイテムに興味を持つ自分というのも気恥ずかしかったし、ワインの紹介文にも通じる香水の紹介文独特のあの雰囲気にも敷居の高さを感じていた。
まさに私に似合う香水!!とかも微塵も考えていなかった。
フィグの部分はともかく、バニラとかピンクペッパーとかパチョリとかはまるで判別できなかった。正直今でもそう言われれば…って感じです。トータルでいい匂いならそれでいいんです
ただ、繰り返しにはなるけども
この匂いのする自分っていうのはお金で手に入るんだ……
という事実はとても魅力的なものだった。
以下の写真が示すような、細かい植物の装飾やアール・ヌーヴォーが好きな私の心をメッタ刺しにするビジュアルもそれに拍車をかけた。
そうして売れ筋ナンバーワンだったこのフィグとナンバーツーのジンジャールージュとで悩みに悩んだ末選んで買ったフィグ30mlが私の初めての香水ボトルになった。
レッドジンジャーとザクロ、ピンクペッパーが赤の共演。
スリリングで情熱的なラブストーリーを予感させるフレグランス。
遠浅(とおあさ)の砂浜と白いサンゴ礁に囲まれたアフリカのザンジバル島は、アラブとヨーロッパの影響を受けて世界文化遺産となった街並みを持つ。調香界の巨匠アルベルト・モリヤスとアマンディーヌ・クレマリーは、この美しい島での思いがけない出会いと情熱的に繰り広げられるラブストーリーを表現。ジンジャーエッセンス、ザクロ、ピンクペッパーの共演が開放感と大胆さを与えてくれる愛の予感。
漠然と、両方ともマジでいい匂いだけど後者の方が少しスパイシーでセクシー、お姉さんっぽい香りだったのでとりあえず一番はじめなので甘いほう行っとこう、といった理由だった。
ちなみに当時は知りもしなかったけどフィグの調香師はフランシス・クルジャンでジンジャールージュの調香師はアルベルト・モリヤス。どちらにしても大御所もいいところだった。
ロジェ・ガレ2本目のボトルとなるテ・ファンタジーは柑橘の入った紅茶の香り。エクストレド・コロンというフィグ達より少し高級なラインなのだが、直感でうわめっちゃいい匂い、この匂いの人になれるんだというフィグとほぼほぼ変わらないノリで購入したのを覚えている。こちらもまた売れ筋で、ロジェ・ガレとしてもフィグと同じかそれ以上に売り出しているものである。
厳選されたシトラスとセイロンティー、サンダルウッドやベンゾインの神秘的なウッディ、ベチバーやシピオルのアーシーな植物の香りが複雑に絡み合い、ヘディオンによって幻想的にたゆたいます。いつからそこにあったのか、本棚の奥にバーガンディ色の装丁本を見つけたような。スモーキーな紅茶を飲みながら、次第に異国情緒あふれる物語へと引き込まれ夢中になる、時を忘れさせるファンタジーなフレグランスです。
フィグとテ・ファンタジーは両方とも万人受けする匂いであり、大学につけていくとたまにいい匂いだねと褒められる匂いであった。
おそらくこのブログを読んでくださっている方の大半はニッチフレグランスが好きで、時に自己表現の手段、時に一人の時間を豊かにする手段として自分の好きな香水を日常の一部にしているはず。
ただ、匂いモノが好きとはいえその領域に達するにはある程度の時間が必要。
洋服や化粧と同じで、自分はどんな方向性のものが好きというのが確立されないとそもそも選べないのではないかと私は思う。
私にとってロジェ・ガレはその前段階、「いい匂いがするものが好きな自分」「自分の選んだ何かを人に肯定的に捉えてもらう経験」というものを与えてくれたのかなあ、とこの文章を書いていて改めて思った。
香水はいいぞ
と教えてくれたのがこのロジェ・ガレだったのだ。
これまででフィグ、ジンジャールージュ、テ・ファンタジーと三種類の香水について触れた。
そして、つい先ほどツイッターのTLに流れてきたこの情報。
ロジェ・ガレの春の新作。
名前は「ジンジャー エクスキ」(Gingembre Exquis、直訳で「絶妙な生姜」)。
スパイシーなエネルギーと、酸味のあるフレッシュさ、明るいフローラル感、甘いテクスチャー。新作の「ジンジャー エクスキ」は、そんな実・花・根の全てに魅力が詰まった、ジンジャーが主役。きらめくシトラスと花々の繊細な優美さが組み合わさり、幸せと歓びが広がるフレグランスに仕上がっています。
トップノートはジンジャーと、フレッシュで弾けるようなレモンやベルガモット、グレープフルーツなど。続いて、陽の光の中、ヒロインのシフォンスカートがひるがえるように、たおやかなフローラルの香りへと大胆に移り変わります。このハートノートは、ジンジャーフラワーを包み込むジャスミン、オレンジブロッサム、アイリスで大きなブーケのようなイメージに。
ベースノートには、砂糖漬けのジンジャーのような濃厚さを演出するため、ムスクやアイリス、ジンジャー根が添えられ、落ち着いた余韻を残します。
これを見た瞬間走る
これは「好き」の匂いなのでは…
という勘。
そして、これまでつらつらつらつら書いてきたロジェ・ガレとの思い出。
フィグを使い終わったとき、二本目はないかな、と思った。
とても良い匂いなのに変わりは無いけど、自分が「フィグの匂いの女」であることはもう全うしたな、というか(イチジク枠としてプルミエフィグエに出会ったというのも大きい)。
次もし買うとしたらジンジャールージュかな、と思っていた矢先だった。
迷っている。
そもそも本当に買うのか、買うとしたらルージュなのかエクスキなのか、完全に未定。
てかエクスキの匂いまだ知らないし。
それでも、私はエクスキの匂いを試すのをとても楽しみにしている。
TLに流れてきたエクスキの紹介文を見て思い出したのは、香水の紹介文をステキだなあと思えるようになった頃のワクワク感だからだ。
ロジェ・ガレの香りは、外に出たり人に会う時につけるイメージ。
気分が明るくなる、おめかしの香水。
「この人に会うのを楽しみにしていた」という気持ちの香水。
そんなロジェ・ガレの香水が、今、もう一本欲しいのだ。
Régime des Fleurs ムエット6種感想
今回は一昨日(4/15)家に来たNOSESHOPのおこもり応援ムエットを試した感想です!
テレワークが爆発的に広まり、不要不急という言葉も定着どころか今年の流行語大賞になりそうな昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。
普段作らないような凝ったお料理を作っている方。
積ん読を消化している方。
ネトフリやアマプラをバリバリ見ている方。
いろいろ挙げられると思います。
私は改めて香水、もとい香りってすごいなあということを思い知らされています。
だってね、どうしたってイライラしちゃうじゃないですか。何にもしなくても。でも香りって本当に寄り添ってくれるんですよ。
マスクの内側に垂らす無印のアロマオイルとか、イライラやお疲れ様にジャストミートで寄り添ってくれる香水やハンドクリーム。あとはお茶とか。
キます。
こういう日常だからこそ、五感の中でもダイレクトに来る匂いってものは本当に侮れません。
薬っぽい匂いという訳ではなく純粋に心に効くのでもはや薬として認定したい香水、皆さんにもあるのではないでしょうか?
長くなりましたが、少しでも私が香水リテラシーを高めて楽しいパフュームライフを送るべくブログを書いていきます〜
ノーズショップがおこもり応援企画として出していたRégime des Fleursのお試しサンプルの紹介です。
この記事を書いている時点では残念ながら取り扱いは終了しています。購入された方はあーこういうのだったなーと思っていただければ、そうでない方はぜひコロナが収束したらノーズショップでお試しください…!
ノーズショップ本当にすごくて、サイトで色々なおこもり企画打ってるので…!
それではさっそく!
なお、以下の香水の紹介で使っている引用は全て二つ目のリンク先からのものです。
あと予め断っておくのですがかなり文字数にバラつきがあります。ご了承ください。
クロエセヴィニー リトルフラワー
ハリウッド女優、ファションアイコンとしても絶大な人気を誇るクロエとの共作は最愛のローズという古典的なテーマに、紅茶やカシスといったクロエの愛するアイテムを加えて現代的にアップデート。
NOTE:ブラックティー、ケマンソウ、カシス、ピオニー、パロサントインセンス、ザボン、ハニーサックル、ローズアブソリュート・・・
パルファンサトリのムエットがスーッと一度に吸い込むものに対し
普段あまりローズは試さないのですが、
時間が経つとちょっとウォータリー入ってくる感じ。
クロエセヴィニー自体からは少し逸れてしまうのですが、ニッチフレグランスって内向的な香り多いですよね。
内向的という言葉の意味どおり、嗅ぐと「それを嗅いでいる、感じている自分自身」に意識が向く香水って感じです。
キャクタイ
幻覚剤としても知られるサボテンの一種ペヨーテ。ネイティブ・アメリカンにとってそれを食べることは宗教的な内省の時間。純真な人にはそれが甘く感じられるという。肌に残る香りが暴くあなたの本性。
NOTE:ベルガモット、キュカンバー、紫蘇、ヘリオトロープ、ブラックティー、ジャスミン、マテアブソリュート、バルティックアンバー…
甘い匂いしろ…
甘い匂いしろ……
甘い匂い………
した!!
やったぜ!!!!
純真な人間なので甘く感じました〜イェーイ
えーとですね、これはロジェガレのテファンタジーですね。
ちょっとモワッとした甘いものが入ったテファンタジーでした。
内向的なテファンタジー。(私的にはテファンタジーは外出用。外交的な部類なのです)
一応ノートの中にはブラックティーとマテアブソリュートがあるら
でも正直それ以外の部分も込みで本当にテファンタジーだった。
まあ現実問題私はペヨーテなんて口にしたことはないので、モチーフにつ
ゴールドリーブス
神は死んだ。誇りと知恵を持ち、あらゆる価値や権威を笑い飛ばして軽やかになることで人間としての高みを目指す。世界は虚構であるからこそ積極的に生きよ。これは誰でも嗅げるが、誰にも嗅げない香水。
NOTE:月桂樹、シトロン、カルダモン、フルールドリス、シャリンパイ、アイリス、シダーウッド、オークモス、ナガルモタ、アンバー
これはクロエセヴィニーと真逆でムエットをスーッと深く吸い込むやつ。
ひとしきり嗅いでザーッと浮かんだものを挙げていく。
スパイシー。
庭のフェンネルの葉っぱ。
檜の香りの入浴剤(濁り湯タイプ)
小さい時に嗅いだサンダルウッドの石鹸の匂い(
後述するフォーリングツリーズと比べると相対的にライトな感じ。
フォーリングツリーズ
幾世紀に渡り育まれ倒れた木々が堆積した重厚な森の中央に立ち、湿潤な空気感、老齢の樹脂やコケに様々な表情と息吹を感じる。荘厳で心地よい雰囲気。倒木たちの力強い生命力が吹きこまれた香りのドラマ。
NOTE:エレミ、ジュニパーベリー、オーク、フランキンセンス、ミルラ、キゴケ、ナガルモタ、ベンゾイン
針葉樹の香り。
おそらくジュニパーベリーが強めに出ているものかと思われる。
ゴールドリーブスと同じ方面なんだけど、
私の鼻はこういう方面に疎いのか、
画家で言うと東山魁夷。
ウィロウズ
ほのかに甘く優しい柳の枝のような揺らぎをを繊細に伝える。劇的な四季の変化が人生に彩りを与え、心の豊かさを醸成するように、時間の経過で巡る香りのうつろいがあなたの心に刻む忘れ得ぬシーン。
NOTE:ホワイトペッパー、キャロットシード、バイオレット、ミモザ、アイリス、ライ、トンカマメ
このウィロウズとその次のグラスブルームズが今回の私に特にグサリと来た香水でした。
ウィロウズはひたすらに優しい香り。
「ノスタルジックで昔を思わせる」?
「悲しい気持ちに寄り添うの慰めの香り」?
うーーんしっくりこない。
きらめきともフローラルともウォータリーともムスクとも違う、
うーん…
ただただ繊細で…
あ、そうだ、これは繊細さの香りだ。
オンかオフかで言ったら100パーセントオフに振り切れている。
他に誰もいない時か、
こうやって感じたことを言葉にする、その前段階の、
お寺や和室みたいな「場所」の匂いの香水は、
この香水はそうではない。心に直接問いかける香水なのだと思う。
色で言うと…そうだなあ…
敢えて言うなら人肌の匂い方面かしら。
でも色っぽい方面でもない。
特にそう謳われているものでもないので、
ムエットだけなので、
けして冷たい訳でもないけど体温を感じるようなものでもない、
グラス ブルームズ
ガラスによって永遠の命を与えられた花々の標本。回りを飛び交うミツバチの羽音が聞こえるかのよう。繊細な花弁、透き通る瑞々しい葉。これは生花以上に魅力的で、ガラスのように儚く脆い香りの標本。
NOTE:グレープフルーツ、スズラン、ピオニー、アンブレットシード、ティーローズ、イランイラン、サンダルウッド、トンカマメ、 ムスク
…
……
蜂蜜みたいなのが中心にある。
線の細ーい儚い蜂蜜。
主役だ!という感じでガンガン出てくるものではない。
もっとこうなんというか…
お湯で割ってある飲み物の蜂蜜の匂いがする。
ハーバルなものが加わっているので、ハーブティーに蜂蜜が入っ
実際には入ってないけどエルダーフラワーのコーディアル(
もので例えるとなんだろう…線の細い花束みたいな。
上述の通り今回私にはウィロウズとこのグラスブルームズが非常に印象に残ったのですが、前者が直接心にくるものだとすると、後者は上の写真みたく映像・空間といったもののイメージが浮かんでくる点で違うなと思いました。
匂いという同じ感覚に働きかけるものでもこのような違いがあるというのは本当に素敵だと思います。
ていうか引用も込みではあるのですが今回文字数が4000字を超えたのにびっくりしました。大学のレポートで4000字って結構なボリュームだったと記憶しているのですが…
内容のクオリティはともかくとして、ここまで文章にできるコンテンツってあるもんだなあと私自身が感動している次第です。。。。
読んでいただきありがとうございました!
パルファンサトリのテスター
いやー自粛ってのは退屈なもんだなぁ何かいいことないかしらと思っていたところ、なんとパルファンサトリが無料でムエットをお届けしてくれるというステキな情報がTLに。ソッコー予約しました。
こういうのって待ってる間も幸せですよね
そんな訳で今回はつい昨日届いたテスターについて書きました!
届くまで
まずパルファンサトリで買い物をするための会員登録をします。TLで流れてきたURLからメールアドレスや住所、電話番号といった個人情報を入力し、完了です。
ここから申し込めます(4/11現在)
今回は0円の商品を購入する、という流れなので、「ムエット5種」をカートに入れ、そのまま購入。
私は4/6の夕方に購入し、4/10の日中に届きました。東京に住んでいますが、これは人によって差があると思います。
パルファンサトリに関してはブランド名こそ知っているけど程度の者でしたので、あえて前情報はあまり入れずに楽しみに待つことにしました。笑
というかコロナ関係なく家でテスター試せるのってすごくありがたかったんですよね。
デパートってどうしても晴れの場所というか、緊張しちゃうんで、なかなか香りの情報が入ってきづらい気がして…
もちろんもらったムエット持ち帰りもするんですけど、やっぱり限界があるなぁ、とか思っちゃってたんですよね、、、
ムエットは封筒に入って送られてきます。内容は
・ムエット×5
・ひょうげのカード(どの方もひょうげなのかは不明です)
・『世界香水ガイドⅢ』にパルファンサトリが掲載された際の各香水の紹介文。表面が日本語、裏面が英語
とこれが無料でほんとにいいのかと思わざるを得ないボリュームでした。
各テスターについて
・ハナヒラク
どの方も仰る通り、メロン。
オレンジのじゃなくて緑の方のイメージ。もっと言うとメロンミルク的なメロン。
メロンだからまあ甘いんだけど、なんていうんでしょうか、砂糖の甘さじゃない。ココナッツミルクが入ったスープも甘味感じるけど砂糖ではないみたいな、そういう方向性でした。
メロンはトップだけのようで、だんだんもっとクリーミーな何かに変わっていく。
ドライダウンの香料には味噌と醤油が使われているとのことで、明確に味噌!醤油!みたいなものが分かったわけではないけど、あえて言うならそれらの一番最初に来る匂いが来ているのかな、という感じ。肌につけると味噌!と仰っているコメントもあるので、ムエットとは違うものがあるのかもしれないです。
セロファンから出して大分経ったムエットを嗅ぐと、遠くにトップのメロンだった部分を少し残した何とも言えない香ばしい匂いが残っていました。
・サトリ
お寺だ、というのが第一印象。
背筋が伸びる匂い。
静謐で凛とした空気。
香木の匂い。
無地のブラウスに一粒真珠のアクセサリー、みたいなストイックでシンプルである意味その人自身を試されるような服装を彷彿とさせます。
あと、個人的に思った事としてはマッチの焦げた匂いや遠くで焚き火がされている時の匂いが好きな人にとってはスルメ曲ならぬスルメ香水になるのではないかなと。
そういう匂いだという訳でもないのですが、ヒノキ等とはまた違う年期の入った木の匂いを感じました。
・ひょうげ
セロファンを開けた瞬間流れ込む和室の匂い。奥の方に抹茶の苦味。
第一印象は緑。
しかもくすんでいるやつ。若葉とかではなく。
抹茶要素は匂いを嗅いだ後の方に出てくる印象でした。薄茶を飲んだ後口の中に残るあの雰囲気。後の方になってくるとそこはかとなくパウダリーさを感じます。
もっと言うなら、小さい時に水辺で遊んだ時とかに踏んだ草の匂いを骨太にしたような感じでした。
でも水!とか土!って感じの香水はもっと他にあると思います。アーシー…とはまだ別物だと思います。最後までのこるい草をさらに強めたようなどことなく人を寄せ付けないような匂い、、、不思議です。
今回の5種類の中で一番言葉で表現するのが難しい匂いでした、、、、、
・シルクイリス
正直タイトルが全てを語っている、これ以上私が何かコメントすることは無いんじゃないかなと思うくらい「シルクイリス」って感じの匂いです。
香水におけるパウダリーさのイデアみたいな感じですが、甘くはありませんでした。
黒髪を結い上げた、薄い紫と白が似合う清楚美人がつけていたら知らない人でもついていくと思います。なめらか。清楚。
あえて女優さんで例えると木村多江さん。
・桜
…
……
………
は?
かっこよ。なによこれ。
めちゃ雅やん。
頭の中でどこからともなく尺八の音が聞こえてくるな?
間違っても「チェリーブロッサム」ではない。
ロフトとかプラザで石鹸やらハンドクリームやらになっている方面の桜じゃない(私はそういうのも好きですが…)。伝わりますでしょうか。
桜というよか夜桜って感じ、します。
言葉にするとすっごく平たくなってしまいますが、日本人が日本のものについて作ったモノ、という雰囲気が凄いんですね。
例えば20世期初頭にヨーロッパで流行ったジャポニズム、あの中では浮世絵とか日本の作品・作風に影響された作品ってすごく沢山あるんですけど、やっぱり日本人が書いたんじゃないんだなあってわかるんですよね。
線の感じとか、余白の取り方とか、色の感じとか、スッゴイ再現されてるなあってなるんですよ。でも(作品として素敵かどうかは関係なく)日本にある日本画の美術館、例えばすみだ北斎美術館とか三井記念美術館とかに紛れ込んでいたら美術に明るい人でなくとも違和感を覚えるはず。
その逆で、アメリカ人だから分かるアメリカらしさ、フランス人だから分かるフランスらしさ、みたいなものも当然ありますよね。
この桜は、植物としての桜である以上に、日本人から見た日本というものを匂いで表したもの という印象を受けました。
おわりに
私は今回初めてパルファンサトリの香水を嗅いだのですが、徹底して甘くない(ハナヒラクも砂糖の甘さではないとしたので…一応!)。そしてどれもどこか人を寄せ付けないストイックな雰囲気があったのが印象的でした。
みんな見て見て!私が主役だよ!みたいなものとはまた違う、人としての芯を静かに持っている人のための、内省のための香水、というイメージを持った次第です。
ちなみに個人的にはサトリとサクラがツートップお気に入りでした。
普段からこういう方向性の香りが好きだ!という訳ではないのですが、やっぱり色々試してみるものだなあと思いました。というか、このような形で試させていただけるのは繰り返すようですが本当にありがたい…
例えばハナヒラクのクリーミーさが私は気に入ったのですが、あれはラルチザンのプルミエフィグエのココナッツぽさに通じるものがあるなぁとか、何か繋がるものがあるのかなー、なんて。
トゲトゲピリピリしてしまいがちな今日、束の間日常を離れてじっくり典雅な香りを楽しむ事ができるというのは本当に素敵な事だと思います。
これを機にパルファンサトリのファンになったのは私だけではないはずです。
まだの方は今回を機にぜひ!
お読みいただきありがとうございました!
ブルガリ マンウッドネロリ
もともと香水のアカウントとして始めたアカウントなんだから次の記事は香水について書こう。と私は意気込んでいました。
しかしフォロワーさんたちの香水についてのツイートとか、なんだかんだいっつも見上げてるんだもんなぁ私…
香りについての語彙力高すぎて???ってなるツイートや文章よくあるし
フエギアとか敷居高すぎてもはや店の前に行っても躊躇うレベルだし未だに店員さんと話すとき緊張しちゃうし、、、、、
やっぱりかけているお金も時間も違う方々の書く香水についての文章というのは、レベルも書く下地である経験値的なものも段違い。
こんな小娘が軽率に愛でるなんておこがましいのではないか…
くらいまでは正直思っていたのですが、
…いや!
私は本来いい香りがするものが好きってだけなんだ
「おいしいものが好き」「きれいな色が好き」と同列なんだ!ほんとは!
そりゃ実際買うとなると話は別だけど
美術館だって趣味だよっていうとすごいなんか格調高いみたいな見られ方するけどあれだって料金自体は映画とトントンだし!
別に飾られてる全ての作品の良さわかってる訳でもないし!
長くなりましたが以上をもって「私なんかが香水についての文章書いて大丈夫だろうか…」という心の声との戦闘を終了します。けして格調高い文章は書けませんが生温かい目で見守ってやって下さい。
そんなわけで。
サイトHP:https://www.latelierdesparfums.jp/brands/bvlgari/man-wood
マスター調香師、アルベルト・モリヤスが手掛けたのは、大自然と地中海にそそぐ太陽にインスパイアされたシトラス・ウッディなフレグランスです。爽快なエネルギッシュさとエレガンスのコントラストあふれる香りは、ビターオレンジツリーの花や葉、枝からインスパイアされた活力あふれるエッセンスで構成されています。
トップノートはきらめく陽光をイメージ。華やかなネロリをベースに、太陽の光を思わせるフローラルやグリーンのさわやかな香りで幕開けします。
ミドルノートは自然への回帰をイメージ。シダーウッドをベースに、温かみのあるレザーやアンバーの香りが広がります。
ベースノートは大地に根を下ろすようなイメージ。ホワイトムスクをベースとした力強い香りが優しく包みこみ、官能的な余韻を残します。
概要はこんな感じです。
香水、もとい香りは思い出と結び付けられるものです。
1.5mlのテスターを手持ちの小さな肩掛けカバンに入れており、移動の朝など気分をヨイショしたい時につけていました。
まぁ持っていくときは
「私もいらんもの持っていくよな(笑)まあかさばらないしいいんだけど(笑)」
実は私はヨーロッパはベルリンに到着するやいなやロスバケに遭うというろくでもない事態もあったのですが、そんな時でも無印のアロマオイル(「はじまり」と「ネロリ入りブレンド」でした)とこのテスターは手元にあったため、
ああ、なんか私の人生ってこういうところあるのかもしれないなあ…
とか思っていたりしました。
荷物が戻ってからもこのアロマオイルたちとテスターは異国の地での精神安定剤として結構重宝していて、旅を通じて香りって偉大だなぁ…と認識させられたものです。飛行機の中にもジップロックに入れて持ち込みました。
新しい土地に移るとき、見慣れない地下鉄に挑むとき、道中の格安バスやLCCの飛行機の中、このマンウッドネロリは私を励ましてくれていたように思います。
話が香水から飛んでしまいましたが、私の拙い語彙力でマンウッドネロリの説明をしますと、まずトップが入浴剤なんですよ。
バスクリンゆずと森の香り的な。。。
いや、そりゃその正体は弾けるネロリの香りなんですけども。。。
嗅いだ瞬間はおっ柑橘やなという感じでシャキっとするので、旅先では「朝の目覚め」みたいな副題もついていたのですが、アトマイザーに移す段階で香りが飛ぶのか私が慣れたのか最近は
んーこのバスクリン
とプッシュする度もはや自分の部屋のような安心感すら覚えたりします。
マンウッドネロリの名誉のために言うと決して嫌いではないです。
強くはないですがネロリの苦い感じとかは当然ありますし、柑橘の果実!果汁!とはまた違うユニセックスな幕開けがやっぱり私は好きです。
ちなみにバスクリンというのはトップのネロリが(スウィートスキンと思しき私の肌では秒で消えますが…)その次に来るウッディなミドルと混じっている状態のことだという風に認識しています。
で、バスクリンの後にはウッディノート。説明書きではシダーウッドと書いてありますね。ここまでくると大分香りとしては落ち着いてきます。
そしてここにホワイトムスクが混じって最終的には「遠くに緑が感じられるホワイトムスク」になってフェードアウトしていきます。
MANという名前にもある通り、この香水は本来メンズものなのです。「大地に根を下ろすように」という描写の通り、男性の包容力的なものを表しているとされるこのラスト。
私はネロリの香りの香水なんだな!!と思ってテスターを購入したのですが、香りに慣れた今となってはむしろマンウッドネロリの象徴的な部分はこのウッディ交じりのムスクの部分なのではないかと思うのです。
ラストノートということもあり純粋に尺が長いと言ってしまえばそれまでなのですが、何とも心が穏やかになる、大きな腕に抱かれるとか全身包まれるとか、そのようなイメージを感じさせる香りなんですよね。
それまでも普通に仲良くしていた友人とある日二人で話したらふと彼が大切にしている何かが見える言葉を残された、みたいな。別れた後も帰り道で一人
あの人あんなこと言うんだ…
って考え込んでしまうような。
でも次に日中会ったときはネロリモード。笑
まあ友人と違って香水のラストの香りは変わらないんですけどね…笑
ともかく、今回のマンウッドネロリは私にとって思い出であり日常の一部でもある大切なものなのです。
シャキっとしたい時に使いますが、なんだかんだラスト嗅ぎたさに寝る前にプッシュしていたりもする、今となっては年季の入った毛布みたいな存在なのかもしれません。笑
読んでいただきありがとうございました!
トレンツ・リャド
コロナが流行ってると美術館しまっちゃいますよね。。。
でもここはやっていた(3/22に行きました)
新小岩にある杉山美術館というところです。
チラシミュージアムというアプリで知ったのですが、トレンツ・リャドというスペインの画家の作品が常設されている、個人でやられている小さな美術館です。
リャド以外でも他の作品も企画展ということでやられています。
中に入る際には入り口のインターホンを押し中に入り、2階に上がります。。
ちなみにペイペイが使えます。
…
………
……………
リャドやばくね????????????
いや、、、、、、、、天才かな、、、、、、、、、、、
もうこの絵が好きとかじゃなくてこの作風の絵で囲まれているこの空間が天才。
こんな作品がこの世の中にあるのか、、、、、!!!!
色遣いが好きすぎる、、、、、、、、、、
こんなに好みド真ん中の作風なのになぜ今まで私はこの人の存在を知らなかったのかな?????????????
尊ぇ~~~~~~!!!!!!
水面の書き方YABEEEEEEEEEEE
近くで見ても何なのかわからんのになんで遠くからみるときちんと水面をしてるのか私にはもうわからん。
わからんがよい。わからんのが良い。
どうやって描こうと思ったらこうなるのかわからないけどきれいなので何でもあり!!!!!!!!!!!!
繰り返すけどマジでお色遣いがほんと天才すぎる。
湿気と温度を加えたモネ!!!!
ぶっちゃけ私こっちの方が好み!!!!!笑
イタリアとかスペインとかそういう方面の鮮やかさとくすみが両立してる感じがたまらん!!!!!!!!!!
という心の叫び、実際には
えっ
えっ……
うわー…
としかなりません。よくあることですね(?)
また、とってもありがたいことに杉山美術館ではリャドが特集されていた美の巨人たちが見られるのです!30分弱ほどだったと記憶しています。
番組の構成としてはリャドの作品のうちの一枚をクローズアップして、そこからリャドに実際に師事していた日本人の画家さんを案内役に作品やリャドの周辺の人々、作品の紹介をする…って感じでした。
印象派ってとにかく光とかゆらめきとかそういう絶えず動く対象をいかに捉えて作品にするかみたいなところがあるので必然的に作者の言葉も似通って来るのですが、リャドもそれに違わず「一瞬を形にする」みたいな事を言っていましたね。
最後の印象派、と評される彼ですが、印象派のあの輪郭の無さといいますか、そういうのは確かに印象派のそれと言えるなと思いました。
今回見た作品の多くが水辺をモチーフにしているのもモネを彷彿とさせます。
また、美術館にあった図録でしか見てはいないのですがリャドは人の肖像画も沢山残しています。
印象派の人の絵って結構近くで見るとタッチが荒かったりするのですが、まさしくあの感じ。
スプレッシング?的な名前だったと思うのですが、しぶきや光のような物を表現する際に刷毛を少し遠くから振ることでキャンバス上に表す技法がリャドの弟子の方(上記の日本人の方とは別人)がやっていたり。
記憶が定かでないので調べてみたのですが、おそらくドリッピング技法かスパッタリング技法のどちらかだと思いました。
以下はその二つの説明文です。こちらのブログの記事を引用させていただきました。
https://acrylicrab.com/oilpaint-gihou-11
ドリッピングという技法に関しては比較的最近の技術だと言えます。
正確に言うとドリッピングと明確に名称が付けられたのが近代であり、それよりも以前に使われていたとは思いますが。
この技法は「ジャクソンポロック」というアーティストによって開発されました。
絵の具を直接垂らしたり、飛び散らせたりするなど、キャンバスに筆が触れることなく、描き上げる技法です。
偶然的、偶発的な絵の具の効果を期待できます。
ちなみにドリッピングというのは「Drip」(滴る)と「Pour」(流れ込む)を組み合わせた造語です。
スパッタリング技法は先ほど紹介したドリッピング技法と近いものです。
絵の具をかなり薄めてから筆につけて指などで弾くと絵の具が飛び散って画面に乗ります。
これがスパッタリングという技法です。
筆が柔らかすぎたり、絵の具が濃すぎたりするとあまり上手くいきません。
もし試す場合は筆の硬さと絵の具の溶き具合を変えて、上手くいくラインを覚えると良いかと思いますよ。
油絵の具でもアクリル絵の具でも水彩絵の具でも気軽に使える技法の1つと言えます。出典:アクリルラボ『油絵の技法と描き方とは?11個の古典技法から現代の表現まで解説!』
今回は美術館行ったときこんな感じだったなあというのをとにかく書きなぐった文章になりました。
この杉山美術館に関して先にツイッターにあげたのですが、フォロワーさんから「実家にリャドの絵があります」という旨のリプライをいただき、私個人としては嬉しさと驚きと共に非ッッッ常に羨ましく思った次第でした。
読んでいただきありがとうございました!